ダイビングポイントの位置
N24°49.662′ 、E125°07.991’ 下地島の北西部、17エンドを取り囲む広い佐和田の珊瑚礁の南端部、通り池がある断崖の北に広がる珊瑚礁の外縁側に魔王の宮殿があります。
ポイントの風景
外洋と通り池を断崖の下で結ぶたいへん大きなアーチと、アーチを通り抜けた先にある通り池に行くことができます。通り池に溜まる淡い緑色の淡水と外洋から入る透明度の高い青い海水の対比、その境目にあるゆらゆら帯(ケモクライン)はこのポイントの特徴です。
外洋側に船を留めてエントリーすると、水底まで断崖が続いていることがわかります。崖に沿って少しずつ水深を落としながら進むとすぐに大きなアーチに辿り着きます。アーチは天井の水深が20m程度、水底の水深が45m程度。アーチの中では常に20mより深い水深になりますから、ノンストップタイムを稼ぐためにも天井に近い部分を移動していきます。
しばらく進むと通り池の淡い緑色の水が見えてきます。雨や地下水などが集まった通り池の淡水は海水と比べて比重が小さいため、池の部分に溜まっているのです。この淡水と海水の境目にはケモクラインがあります。アイスティーにガムシロを入れた時に見られるゆらゆらとした現象です。
通り池では浮上することができますが、外洋に比べて透明度が悪いこと、近くにロープや崖などの目標物がないことから、水深計やコンピュータなどを利用して浮上速度をコントロールする必要があります。
浮上後は再潜降して船まで戻ることになります。耳抜きがうまくいかない場合は帰れなくなりますので体調管理が大切です。
帰路は青く広がる景色の美しさと開放感が大変気持ちの良いダイビングになります。
ポイントへのアクセス
この海域は北風や北東風、東風の季節は海域が穏やかになり、アクセスしやすくなります。秋から冬にかけてがベストシーズンということになります。南風が吹く夏は波が寄せるためにアクセスしにくくなります。
このダイビングポイントに最も近い出港地は伊良部島と下地島の間にある渡口港で、船で15分〜20分程度の距離にあり、伊良部島を拠点とする4軒のダイビングショップが秋冬の母港として利用しています。伊良部島マリンセンターはそのうちの一つです。
ダイビングの難易度
このポイントは最大水深が25m程度で流れも強くないため、アドバンスレベルのダイバー向けと言えます。多くのダイバーが出入りするためか水底に堆積したシルトは少なめですが、他の洞窟と同じように中性浮力がしっかりと取れる(何分でもホバリングできる)スキルは必要です。
アドバンス認定があってもスキルが伴っていない場合はこのポイントでのダイビングが “No!” となることもありますから、日頃から浮力調整スキルに磨きをかけるようにしてください。
水中ライトはあった方が良いです。