体験ダイビングでの船酔い予防

ダイビングツアー

時々お客様から「ポイントまでどのぐらいの時間ですか?」と聞かれることがあります。また、「船に乗っている時間はどのぐらいですか?」と聞かれることもあります。伊良部島出発の場合はポイントまで5分から20分ほど。体験ダイビングで船に乗っている総時間は午前ツアーなら3.5時間、午後ツアーなら2時間ほどです。船酔いの心配から質問される方もいらっしゃいますので、今回は船酔いについてまとめてみます。

ダイビング船の船酔いは止まっている時が辛い

ダイビングボートの揺れは走行時と停止時で異なります。私たちがダイビングポイントに向かう(または港に戻る)時は主に縦揺れで、船首が上下に揺れるような動きです。走行中に酔う人は少ないのですが、これは揺れのリズムと方向が一定していることと、お客様が進行方向を向いていることが多い(揺れが起こる方向に頭が向けている)からだと思われます。揺れる方向に頭を向ける効果については徳島市の伊月病院のホームページに次のような記述がありました。

それでも揺れがひどい時にはその揺れが起こる方向に頭を向けてやるようにすると揺れに対して慣れやすくなります.加速度病について – 伊月病院

ところが、停止時の船はアンカーで固定されているためアンカーを中心に波の方向、風向き、潮の流れによってゆらゆらと複雑な動きをします。この複雑な動きはダイバーを上下、前後、左右に振ることになり、船酔いの原因となっています。船が止まってから手元の作業があるというのも船酔いの原因となっています。

船酔いの予防

船酔いはめまい、吐き気、嘔吐を伴い大変辛いものです。車酔いであれば路肩に駐車して休憩することができますが、船の場合は陸に戻るまで辛い状態は続きます。船酔い対策は予防が最も重要です。

製薬会社によるおすすめ

船酔いのシステムについて検索すると、酔い止め薬を販売する製薬会社のページがいくつも上がってきます。大変分かりやすいページばかりですので皆様も参考にされると良いと思います。

それぞれのページには予防のアイデアも記載されていました。

エスエス製薬 大正製薬 沢井製薬
1 疲れや睡眠不足などの体調不良(を避ける) 前夜は十分な睡眠を心がけましょう。 前日は十分に睡眠をとる
2 乗り物内のよどんだ空気(を避ける) 気分よくすごしやすい、前方の席や窓際の席を選びましょう 脂肪分の多い食事は避ける
3 不快に感じられる温度・湿度(を避ける) 飲みすぎや食べすぎは避けましょう。 空腹は避け、適度な食事を
参考ページ 乗り物酔いの原因とは? 乗り物酔いのメカニズム 乗り物酔いは克服できるの?
どのサイトでもトップに上げられているのが、十分睡眠をとることとなっています。旅行で宮古島に来島されている皆様ですから、どうしても夜遅くまで飲んで、騒いで、ということになりがちだと思いますが、ボートに乗る前日は早寝することを強くお勧めします。船酔いは大変辛いものですから。
飲み過ぎや食べ過ぎに注意するということも書いてあります。前日の飲み過ぎや食べ過ぎはもちろんですが、当日の朝も注意してください。美味しい朝食のバイキングだからといって苦しくなる程食べるのはお勧めできません。かといって、心配だからと朝食抜きにするのも良くありません。消化の良いものをよく噛んで、軽く食べておくのが良いと思います。
緊張や不安といった精神的な要素も船酔いには関係しています。乗船中は歌ったり、おしゃべりしたり、気持ちを元気な方向に持っていくことも大切です。弊社の林インストラクターも以前は大変乗り物酔いしやすかったため、いつも元気に歌を歌っていました。気が紛れて良いそうです。

さんぺい船長

船長のおすすめ

船長のおすすめは「苦しくなってからじゃどうしようもないから最初っから薬飲んどいたほうがいい」と「船の上では水平線を眺めながら立ってるのがいい」ということです。船長の話を図に書いてみました。

座って船に身を任せている図と、立って船の揺れを逃している図です。ブランコや電車に乗っている時はうまく体をコントロールして上半身がブレないように(いつも垂直でいるように)していませんか?船の上でも立っていることと進行方向の水平線を眺めていることでうまく船の揺れを逃してやることができます。揺れで転ばないように必ず何かにつかまった状態で試してみてください。とても効果があるのでおすすめです。

※ 気分が悪くなってからでも効果はありますが、船酔いすると立つ気力もなくなりますからあくまで予防策です。

船に身を任せると頭は揺られ、視線も揺れやすい
立って水平線を眺めることで船の揺れを逃す

 

酔ってしまったらとっとと陸に戻る

船酔いをしてしまったら船の上で回復する見込みはほとんどありません。陸に戻るのが一番です。伊良部島の船に乗る一番の魅力は、とっとと陸に戻れることです。

とはいえ、酔い止め薬も飲まず、暴飲暴食、寝不足でダイビングに参加して船酔いしてしまっても当然と言えば当然かもしれません。ダイビング前はしっかり眠り、すっきりと体調を整えておきましょう。船やダイビングに慣れてない人は酔い止め薬の服用をお勧めします。

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